かつては全国のあらゆる町内に存在していた牛乳販売店ですが、ピーク時と比較すると店舗数は大幅に落ち込みました。なぜこれほどまでに牛乳屋さんの減少理由が取り沙汰されるようになったのか、その背景には3つの構造的要因が存在します。
第一の要因は、1970年代以降に加速したスーパーマーケットやコンビニエンスストアの台頭です。大型量販店による紙パック牛乳の大量仕入れ・安売り競争が激化し、定価販売が基本だった街の販売店は激しい価格競争に巻き込まれました。「いつでも安く買える環境」が整ったことで、各家庭で牛乳を定期配達してもらう必然性が薄れていったのです。
第二に、家庭用冷蔵庫の大型化と紙パック容器の普及が挙げられます。長期保存が可能になったことで「毎朝届けてもらう」ライフスタイルそのものが変化しました。
そして第三の決定打となったのが、店主の高齢化と事業承継の難しさです。早朝配達という過酷な労働環境もあり、後継者が見つからずに廃業を選択した個人商店が続出しました。その結果、従来の牛乳販売店ビジネスは再編を余儀なくされ、生き残った意欲的な店舗が広域エリアをカバーする統合型ビジネスへとシフトしていきました。