長引く痰や慢性的になだれ出る病状の背後には、構造的な気道の変形や特定の病原菌感染が隠れていることがある。気道が不可逆的に広がってしまう気管支拡張症では、朝方に大量の膿性粘液が排出されるのが特徴的だ。また、決して過去の病気ではない肺結核においても、持続的な微熱や体重減少とともに、血混じりの粘液が出現する症例が今なお報告されている。
東海大学医学部教授であり呼吸器病態の権威である浅野浩一郎医師ら専門家も、長期化する気道症状の背景にある多様な疾患への注意喚起を行っている。日本呼吸器学会が提示する診療指針でも、2週間以上続く気道分泌物の異常は、標準的な風邪薬で経過観察するのではなく、レントゲンやCT検査を含む精密な画像診断と気管支鏡検査を検討すべき領域とされる。