家庭で作るポテトサラダが時間経過とともにベチャッとしてしまう最大の原因は、野菜から滲み出る水分にある。特に生に近いニンジンをそのまま投入したり、水気が残ったまま和えたりすると、塩分によって浸透圧が働き、後から大量の水分が吐き出されてしまう。
プロのシェフが徹底している水っぽさを防ぐ下処理は、極めてシンプルかつ科学的だ。スライスしたニンジンに0.5%程度の塩を振り、数分置いた後に固く絞る「塩もみ」を行うか、あるいはサッと10秒ほど湯通ししてから冷水に落とし、ペーパータオルで完璧に水分を拭き取る。このひと手間だけで、水分の流出を完全にストップできる。
さらに重要なのが切り方の黄金比だ。厚さ1.5ミリの薄切り「いちょう切り」または細かな「千切り」に統一することで、ホクホクとしたジャガイモの食感を邪魔せず、心地よいシャキシャキ感をアクセントとして残すことができる。大きすぎれば口の中で浮いてしまい、薄すぎれば存在感が消える。1.5ミリこそが食感のグラデーションを生み出す秘訣だ。