一部の旅行者からは「東京タワーの縮小版に過ぎないのではないか」「短時間で終わってしまうのではないか」といった誤解を受けることがあります。しかし、さっぽろテレビ塔には日本の近代建築史と都市デザインにおける確固たる独自性が宿っています。
設計を手掛けたのは、「塔博士」として名高い耐震構造学の権威・内藤多仲氏です。東京タワー、通天閣、名古屋テレビ塔などを手がけた同氏の傑作群(タワー6兄弟)の四男にあたり、豪雪地帯特有の積雪荷重と強風に耐えうる堅牢なトラス構造美は、半世紀以上を経た現在でも建築専門家から高い評価を受けています。
また、札幌の街が「碁盤の目」状に整然と区画されている歴史的背景を体感する上で、大通公園の東端に位置するテレビ塔はまさに「都市の基点」としての役割を果たしています。歴史的文脈を理解して展望台に立つことで、眼下に広がる街並みが単なるビル群ではなく、開拓使以来の綿密な都市計画の賜物であることが立体的に理解できます。