現在、厨房を統括するチームが提示する2026年最新メニューは、クラシックへの畏敬と鮮烈なモダニズムが交錯する。名物の筆頭は、注文率9割を超える「クネル・ド・ブロシェ(カワカマスのクネル)」。スプーンを入れた瞬間に広がるナンチュアソース(ザリガニのソース)の濃厚なコクと、驚くほど軽やかなスフレ状の舌触り。この軽やかさを生むため、魚のすり身とバターのエマルション(乳化)工程を秒単位で管理する独自技法が採用されている。
さらに常連客を熱狂させているのが、下処理に丸2日を費やす「タブリエ・ド・サプール(牛胃袋のパン粉焼き)」だ。白ワインと香草で極限まで柔らかく煮込まれたトリップに、極細のパン粉を纏わせて高温の澄ましバターで一気に揚げ焼きにする。脂の重さを微塵も感じさせず、自家製グリビッシュソースの酸味が脂の甘みを引き締める。厨房関係者の証言によれば、2026年のアップデートとして、近郊の有機農家から直送されるハーブの配合比率を季節ごとに微調整する試みが導入され、予約枠の争奪戦は激化の一途を辿っている。