インターネットやSNS上では、「このサプリメントでアトピーが完全完治した」「この温泉水を吹きかけるだけで劇的に治る」といった過激な宣伝文句が後を絶ちません。しかし、これらには十分な注意が必要です。
現代医学において、アトピー性皮膚炎は「アレルギーを起こしやすい遺伝的素因(アトピー素因)」と「皮膚のバリア機能低下」が複雑に絡み合う多因子性の疾患と定義されています。つまり、風邪のように薬を飲んで原因菌がいなくなれば二度と再発しないという意味での「完全完治」を謳う治療法は、現時点で存在しません。
医療現場が目指すゴールは「完治」ではなく「寛解(かんかい)」です。寛解とは、日常生活に支障が出るような症状がなく、薬を適切に減らしながら健やかな状態を長くキープできている状態を指します。
芸能人が美肌を取り戻したエピソードを聞くと、何か奇跡的な裏技があるように見えますが、その実態は「日々の丁寧なスキンケア」「専門医の処方通りの服薬」「十分な睡眠とストレスマネジメント」の積み重ねです。高額な民間療法や「脱ステロイド」を掲げる無資格のサロンに頼ることは、症状を急激に悪化させるリスクを孕んでいます。