ネット上で拡散された映像の解析を進めていた専門機関の内部関係者から、我々は一枚の内部報告書を入手した。そこに記されていたのは、単なる大気光学現象という公式見解を根底から覆す観測データだった。レーダーに捉えられた物体の推定速度はマッハ7を超え、急激な減速と停止を繰り返しながら熱源反応をほとんど残していなかったという。
「既存の航空工学では絶対にあり得ない推進力だ」と、情報を提供した防衛技術アナリストは匿名を条件に口を開いた。さらに取材を進めると、この光景の背後には民間先端テクノロジー企業が極秘に進めていた次世代大気圏観測プローブの実験と、偶発的なプラズマ放電が重なった未曾有の複合現象が存在していたという驚くべきリーク情報に突き当たった。関係者たちが沈黙を守り続けたのは、実験データそのものが最高機密に指定されていたためだった。