かつては中華料理の高級食材という位置づけだった豆苗を、日本の国民的定番野菜へと押し上げたのは、徹底したアグリビジネスの技術革新だった。その立役者となったのが、スプラウト栽培のパイオニアである株式会社村上農園だ。
同社は高度に制御された植物工場システムをいち早く構築し、天候や季節に左右されない完全無農薬の安定供給ラインを確立した。コンピューター制御された温度、湿度、二酸化炭素濃度、そして最適な光照射。自然界の気象リスクを排したクリーンな環境で育つ豆苗は、土や害虫に触れることなく、一年中変わらない高い栄養価と安全性を担保している。この近代農業の結晶ともいえるサプライチェーンこそが、都市部でのヘルシーな食生活を支える見えないインフラとなっているのだ。