彼のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、自ら手がける独創的なファッションデザインだ。氷上で着用された衣装の数々は、単なる装飾品ではなく、プログラムの物語を語るための重要なピースとして計算し尽くされていた。
「衣装は私にとっての鎧であり、皮膚の一部でもある」と語る彼のクリエイションには、徹底したこだわりが息づいている。氷の冷たさに映えるベルベットの質感、身体の動きに合わせて残像を描くドレープ、スワロフスキーの配置に至るまでミリ単位の妥協も許さない。競技用の枠を超えたその造形美は、後進のスケーターたちに「衣装もまた表現の武器である」という強い意識を植え付けた。