実務上、経費やスケジュールの都合から「歓迎会と送別会の兼務」を選択する企業は全体の約7割にのぼります。しかし、現場の参加者や主賓の心理を観察すると、そこには複雑な力学が働いています。送別会と歓迎会の違い理由は、主客が抱く感情のベクトルが正反対である点に起因します。
民間人事シンクタンクが2026年末に実施した職場コミュニケーション調査によると、合同開催の歓送迎会に参加した新入社員・着任者のうち、42.8%が「送り出されるベテラン社員の思い出話ばかりで、自分は居場所がなかった」と回答しています。一方で、退職者側の28.4%も「新メンバーの紹介に時間を取られ、十分な挨拶や感謝を伝えきれなかった」と消化不良感を吐露しています。
組織社会学の知見から分析すると、送別会は「過去の功績の精算と感情のクロージング」を目的とする儀礼であり、歓迎会は「未来に向けた関係構築と組織社会化」を促す儀礼です。この2つの相反する目的を同じ2時間の枠内に詰め込むため、進行設計を誤ると「主賓のどちらにも失礼が生じる」という本末転倒な事態を招きます。幹事は「送別パート」と「歓迎パート」のメリハリを明確に分節化する意識を持たなければなりません。