政治家や知識人を多数排出した名門に、全く異なる新しい風を吹き込んだのが、安藤和津の夫である俳優・映画監督の奥田瑛二だ。二人が出会い、結ばれたことで、それまで政界を中心に張り巡らされていた家系図のヴェールが、日本映画界という情熱溢れるスクリーンへと一気に広がることとなった。
アウトローな魅力と繊細な演技力で一時代を築き、後年には自らメガホンをとって作品を世に送り出した奥田の存在は、家庭内にも強烈な創造的エネルギーをもたらした。まさに「華麗なる一族」の文脈に、自由でアーティスティックな血が混ざり合った瞬間であり、ここから次世代を担う才能たちが芽吹く土壌が完成したと言えるだろう。