海や川の現場を離れ、若者文化や繁華街のカルチャーへと浸透した結果、「入れ食い」は特異な恋愛スラングとしての立ち位置を確立しました。特にマッチングアプリの台頭や相席居酒屋、合コンの現場においては、「異性からのアプローチが途切れない状況」や「アプローチすれば百発百中で反応が返ってくる状態」を指す俗語として頻繁に飛び交っています。
リクルートのブライダル総研が発表した婚活実態調査や大手マッチングアプリ各社の動向を観察すると、プロフィール写真や自己紹介文のアルゴリズム最適化により、新規登録直後の一定期間に特定ユーザーへ「いいね!」やメッセージが極端に集中する現象が確認されています。ネット掲示板やSNSでは、こうした瞬間的なモテ期の到来を「アプリで入れ食い状態になった」と報告する書き込みが散見されます。
しかし、この表現には無視できない影の部分も存在します。恋愛やナンパの文脈で「入れ食い」を使う場合、無意識のうちに相手の人間性を無視し、「針にかかる魚=釣られる獲物」として一段低く見下すような蔑視的なニュアンスを帯びやすいという点です。X(旧Twitter)などのネットの反応を分析しても、「飲み会で男性陣が『今日入れ食いじゃん』と囁き合っているのを聞いて一気に冷めた」「人間を獲物扱いする下品な表現」といった厳しい批判が日常的に寄せられています。気心の知れた友人同士の砕けた雑談であっても、異性関係を形容する言葉として用いる際には細心の配慮が求められます。