南阿蘇鉄道の魅力は終点・起点だけではありません。17.7kmの区間には、個性的な無人駅や心温まるグルメスポットが散りばめられています。沿線を深く味わい尽くすためのハイライトを紹介します。
まず外せないのが、かつて読み仮名22文字で「日本一長い駅名」の座を誇った「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」です。現在は日本一の座を他県路線に譲ったものの、待合所から望む阿蘇五岳の広大なパノラマと、駅名標を背景にした記念撮影スポットとしての人気は今なお健在。阿蘇の清冽な名水が湧き出る土地の空気感を肌で実感できます。
途中下車して立ち寄りたいのが、長陽駅に佇む駅舎カフェ「久永屋」です。昭和初期の木造駅舎の風情をそのまま残した店内では、注文を受けてから焼き上げられる名物の資本ケーキ(シフォンケーキ)や季節の和菓子、かき氷が供されます。週末の列車が到着するたび、ホーム側からカフェを覗き込む乗客と店主の温かい笑顔が交差する、南鉄ならではの原風景が息づいています。
終点の高森駅の見どころも見逃せません。全線復旧に合わせて刷新されたモダンな駅舎は、南阿蘇の交流拠点として機能しており、地元の特産品やお土産が充実。駅前には前述のフランキー像が堂々と構え、徒歩圏内には湧水が幻想的にライトアップされる「高森湧水トンネル公園」や名物「高森田楽」の老舗が点在しています。立野駅を出発して車窓から第一白川橋梁の絶景を仰ぎ、長陽駅でカフェタイム、そして高森駅で散策を楽しむ半日モデルコースは、初心者からリピーターまで誰もが心満たされる王道の観光ルートです。