調味のバランスが崩れると、魚の味がぼやけたり、逆に塩分が強すぎて身の繊細な旨味が死んでしまいます。料理研究家や和食職人の配合データを分析した結果、家庭で失敗なく味が決まるあじの竜田揚げ生姜醤油下味の黄金比は以下の数値に集約されます。
【あじ2〜3尾分(中型・約200g)の調味料配合】
・醤油:大さじ2
・酒(清酒):大さじ1
・みりん:大さじ1
・おろし生姜(皮ごとすりおろし):小さじ1〜大さじ1/2
この配合は、アルコールによる脱臭効果、みりんの糖分による照りと焦げ付き防止の限界ライン、醤油の塩分濃度(約1.2%前後)を計算し尽くした配合比率です。あじの竜田揚げ黄金比レシピを成功させるための浸漬時間は、10分から最長15分。30分以上漬け込むと、塩分によって魚の内部細胞から旨味成分を含んだ水分が抜け落ち、揚げた際にパサパサの食感になってしまいます。
漬け込みが終わったら、ペーパーでタレの表面水分を軽く拭い、片栗粉を薄く均一にまとわせます。揚げる工程では、たっぷりの油を用意する必要はありません。日常的な調理のハードルを下げるあじの竜田揚げフライパンでの揚げ方を導入します。
フライパンに底から深さ1〜1.5cm程度のサラダ油(または米油)を注ぎ、中火で175℃まで熱します。菜箸の先を油の底につけたとき、細かな気泡が絶え間なく立ち上る状態が目安です。アジの皮目を下にして静かに入れ、最初の1分間は絶対に触れてはいけません。衣が固まる前に触ると、片栗粉が剥がれて油が汚れ、べちゃつきの原因になります。縁が薄いキツネ色に色づいたら裏返し、約1分半〜2分加熱します。最後に強火にして油の温度を180℃へ引き上げ、30秒ほど泳がせるようにして余分な油を押し出してから引き上げます。
アジの骨が気になる子どもや高齢者がいる家庭には、あじの竜田揚げを骨まで食べる二度揚げのコツが有効です。一度目は160℃の低温で3分間じっくり揚げて中心部の骨まで水分を飛ばし、一度油から引き上げてバットで3分休ませます。余熱で骨の芯まで熱が通った後、190〜200℃の高温で40秒サッと二度揚げすると、中骨も小骨もスナック菓子のようにサクサクと噛み砕ける仕上がりになります。
初夏から秋にかけて鮮魚コーナーに並ぶ小型のアジを活用するなら、豆アジの丸ごと竜田揚げレシピがおすすめです。豆アジ(体長7〜10cm程度)は、エラぶたを開いてエラと内臓を指でかき出し、流水で血合いを洗い流すだけで準備完了。ゼイゴ(尾の硬い鱗)を取る必要すらありません。低温(160℃)でじっくり4分、高温(190℃)で1分二度揚げすれば、頭から尾びれまで一切引っかかることなく、骨丸ごと豊かなカルシウムとともに味わえます。