ヨドバシのEC事業がこれほどまでに強固なのは、一過性のトレンドとしてネット通販を捉えてこなかった歴史があるからだ。創業者である藤沢昭和が築き上げた徹底的な現場主義と「お客様への還元」の精神は、長年IT戦略の指揮を執ってきた藤沢和則の手によって、極めて先進的なデジタルシステムへと昇華された。
多くの競合がシステム開発や物流を外部ベンダーへ丸投げするなか、同社は基幹システムの自社開発にこだわり続けてきた。現場の声や顧客の不満を即座にコードへと反映し、翌週には配送ルートやサイトUIを改善する。この愚直な内製化の積み重ねこそが、巨大資本がひしめくネット通販業界で独自の地位を築き上げた真のエンジンである。