ギターコミュニティで長年議論されるのが、リッケンバッカーが弾きにくいとされる理由です。購入を迷うギタリストが直面するこの懸念について、構造的な視点から事実を整理します。
弾きにくさを感じる主な要因は、以下の3点に集約されます。
第一に、指板全面に施された厚いグロスラッカー塗装です。一般的なオイル仕上げのローズウッド指板とは異なり、メイプル指板のようにツルツルとした感触があるため、チョーキング時に摩擦を感じるプレイヤーが少なくありません。
第二に、ナット幅が約41.4mm前後と比較的ナローでありながら、ネックの断面が独特の厚みを持つ点です。特に手の大きいプレイヤーや、フェンダー系のCシェイプに慣れ親しんだ手には最初は違和感として伝わります。また、325などの極端なショートスケールモデルはフレット間隔が非常に狭く、ハイポジションの運指には一定の慣れが必要です。
第三に、4003ベースなどに標準装備されている大型のピックアップフェンス(ブリッジカバー)です。ピッキングの手の置き場が制限されるため、現代的な奏法を行うプレイヤーの多くはカバーを外す、または専用のベゼルパーツに換装して使用しています。
しかし、これらの特徴は裏を返せば「リッケンバッカー特有の立ち上がりの速いアタック」を生む源泉でもあります。適切な弦高セッティングとわずかな慣れさえクリアすれば、唯一無二の演奏体験へと昇華します。