多くの生活者が抱く「なぜこれほど一気に店舗がなくなるのか」という疑問の背景には、単一の要因ではなく、複合的な事業環境の地殻変動が存在します。閉鎖ラッシュを招いた決定的な理由は主に3点に集約されます。
第1の要因は、動画配信サービス(サブスクリプション)の爆発的普及による影響です。Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Disney+、U-NEXTなどが日常のインフラとして定着したことで、わざわざ店舗に足を運び、ディスクを借りて期日までに返却するという物理的な行動様式そのものが消失しました。音楽分野におけるSpotifyやApple Music、電子書籍の普及もこの流れを決定づけました。
第2に、フランチャイズ加盟企業の経営判断と契約満了です。TSUTAYAの店舗網の大半は地方の有力企業や書店チェーンがFC加盟して運営していました。レンタル収益の急減に加え、最低賃金の上昇や電気代などの固定費高騰が直撃し、20年や10年といった定期建物賃貸借契約やFC契約の更新タイミングで撤退を決断するオーナーが続出しました。
第3に、リアル書店の市場縮小が挙げられます。TSUTAYAはレンタルと書籍販売の複合モデルで収益を維持してきましたが、活字離れやネット書店のシェア拡大に伴い、書籍単体での店舗維持も困難になった地域が少なくありません。
ネット上では「CCCグループ自体の経営破綻が近いのではないか」といった極端な噂が飛び交うこともありますが、これは正確ではありません。実際には、赤字を垂れ流す従来型レンタル店舗を切り離し、収益性の高い事業へリソースを再配分するカルチュア・コンビニエンス・クラブの経営合理化が進められているのが実態です。