根尾昂という野球人の名を日本中に知らしめたのは、2018年(第90回記念選抜大会・第100回全国高校野球選手権記念大会)の甲子園春夏連覇でした。大阪桐蔭高校において、背番号「6」を背負いながら遊撃手と投手をハイレベルで兼任したプレースタイルは、まさに高校野球界における二刀流の極致でした。
春のセンバツ大会では、準決勝の三重高校戦で先発登板し完投勝利を収めると、決勝の智弁和歌山高校戦でも圧巻のピッチングを披露。秋春連覇(前年春優勝から数えて)に大きく貢献しました。圧巻だったのは同年夏の第100回記念大会です。準々決勝の浦和学院戦で見せたバックスクリーンへの豪快な本塁打、そして金足農業との決勝戦では、力強いストレートと鋭く曲がり落ちるスライダーを武器に完投勝利を挙げ、深紅の大優勝旗を手にしました。
特筆すべきは、守備位置の柔軟性とプレーの正確性です。遊撃手として深い位置からの強肩を生かした送球で何度もチームのピンチを救い、投手に回れば勝負どころで三振を奪うマウンド度胸を発揮しました。大阪桐蔭の公式記録を振り返ると、甲子園通算で打率3割7分超、本塁打3本を放ち、投手としても防御率1点台前半という驚異的なスタッツを残しています。西谷浩一監督が「グラウンドに2人いてほしい選手」と評した逸話は、彼の万能ぶりを端的に象徴しています。