宿の最上階に位置する展望大浴場に浸かると、目の前を遮るものは何ひとつない。遥か水平線までどこまでも続く太平洋のパノラマビュー。朝には海から昇る神々しい日の出を、夕暮れには茜色に染まる空と波のきらめきを眺めながら湯を浴びる贅沢は、まさに至福のひとときだ。引かれている「鵜の岬温泉」は、肌あたりが柔らかく身体の芯から温まる名湯として知られ、日頃の疲れを静かに解きほぐしてくれる。
食の満足度も群を抜いている。地場産の新鮮な魚介類を中心に据えた会席料理は、旬の味覚をこれでもかと盛り込んだ圧巻の内容だ。冬のあんこう鍋をはじめ、常陸牛や地元の契約農家から届く新鮮な野菜まで、一皿一皿に料理人の矜持が宿る。一般的な温泉旅館なら数万円クラスの会席に匹敵する料理が、手頃な料金で供されるのだから、利用者が舌鼓を打ちリピーター化するのも当然の帰結といえる。