「いたたわ」という独特の響きを聞いて、「どこかの地方の方言ではないか?」と感じる読者も少なくないだろう。実際、西日本を中心とする一部地域の方言では、語尾に「〜たわ」「〜わ」を付ける言い回し(例:「痛かったわ」「参ったわ」)が存在するため、方言的な音の親しみやすさが下地にあることは確かだ。
また、日本語の語彙という観点から深掘りすると、古典的な語源や類語との興味深い一致も見えてくる。
たとえば、「居たたまれないの意味(その場にじっとしていられないほどの恥ずかしさや苦痛)」や、「いたわしい(労しい)の意味(見るに忍びないほど気の毒で同情を誘うさま)」といった感情のグラデーションは、まさに「いたたわ」が表現しようとしているニュアンスそのものだ。
若者言葉やネット用語は往々にして突飛なものとして扱われがちだが、本質的には日本人が古くから共有してきた「他者の痛みを我がことのように感じて胸が痛む感覚」を、現代のデジタル空間に合わせてアップデートした表現形態と言える。