ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団した1990年代初頭、彼を待っていたのは華やかな脚光ばかりではなかった。イップスに苦しみ、思い描いたボールが投げられない絶望の淵。そこから這い上がった泥臭い経験こそが、現在の人間味あふれる語り口の強固な土台を形成している。投げ抜いた14年のプロ生活。開幕投手を5度務めた実績は、単なる数字以上の重みを放つ。
マウンド上で見せる気迫溢れるピッチングと、降板後の茶目っ気たっぷりな笑顔。そのギャップは当時のファンを猛烈に虜にした。勝利インタビューでの代名詞「まいど!」は、単なるウケ狙いではない。球場へ足を運んでくれたファンへの感謝と、プロとして見せる「魅せる意識」の結実だった。