アンチと呼ばれる批判層が挙げる「嫌い」の理由は、大きく分けて3つの要素に集約される。第一に、演技中やインタビューで見せる感情表現の過剰さだ。リンクの上で感極まって涙を流す姿や、独特な美学に基づいた抒情的な発言に対し、「あざとい」「ナルシストに見える」といったネガティブな受け止め方をする層が一定数存在する。泥臭い努力を内に秘める従来のスポ根的な美徳を好むファンにとって、自らの感情や美学をストレートに言語化するスタイルは時に自己主張が強すぎると映るのだ。
第二の理由は、一部の熱狂的ファンによる過激なバッシング行為とその余波である。ライバル選手や競技の審判員、さらには報道機関にまで攻撃の矛先を向ける一部の過激なファン層の振る舞いが、結果的に「羽生ファンも本人も苦手」という世論の拒絶反応を引き起こしてきた。ファン層の熱量が極端に高すぎるがゆえに、ライトなスポーツファンが引いてしまう現象は決して珍しくない。
そして第三に、過度なメディア報道による食傷感が挙げられる。ワイドショーやスポーツ紙が連日のように彼のプライベートや一挙一動をセンセーショナルに報じることで、「もう見飽きた」「押し付けがましい」という反発が生まれた。スターゆえの宿命とはいえ、過剰な露出が生み出した負の側面は無視できない。