今大会のトラックは、序盤から異様な熱気に包まれていた。男子短距離の100メートル決勝では、追い風参考すれすれの絶妙なコンディションの中、従来の大会記録を0.04秒塗り替える圧巻の走りが誕生。スタートブロックを蹴り出した瞬間の鋭敏な反応から、中盤の爆発的なトップスピードの維持に至るまで、非の打ち所がないスプリントが観衆を総立ちにさせた。
中長距離種目でも記録ラッシュが続く。男子5000メートル決勝では、序盤の牽制を嫌った先頭集団が1000メートル通過からハイペースを刻む強気の展開を選択。ラスト1周の鐘が鳴ると同時に繰り広げられたスパート合戦は、まさに息をのむ死闘となった。全種目の決勝記録を見渡しても、跳躍や投てきを含めてハイレベルな水準が維持されており、北国の実力者たちが冬の間に蓄えたポテンシャルの高さをまざまざと見せつけている。