過去の嫌な出来事を何度も繰り返し思い悩む状態を、心理学では「反芻(はんすう)思考(ルミネーション)」と呼びます。この状態が続くと脳のエネルギーが枯渇し、精神的な疲弊だけでなく抑うつ状態を引き起こすリスクが高まります。反芻思考を止めるための第一歩は、「いま自分が過去の再生ボタンを押している」と客観的に自覚することです。
効果的な感情の切り替えのコツとして推奨されるのが、思考に別のラベルを貼る「ディタッチド・マインドフルネス(脱同一化)」です。例えば「上司に怒られて惨めだ」と感じたとき、「私は『惨めだ』という感情を抱いている状態だな」と一段高い視点から自分を観察します。主観的な苦しみから客観的な事実へと視点をずらすだけで、感情の波に飲み込まれずにブレーキをかけることが可能になります。