北九州市八幡東区の山間に位置するこの私営植物園は、創業者とその家族の手によって半世紀以上にわたり手入れが続けられてきた孤高の庭園だ。約1,000坪に広がる藤棚と、長さ80メートルおよび110メートルの藤のトンネルは、開花期になると紫、白、薄紅とグラデーションを描き出し、現実離れした美しさを放つ。
今回世間を騒がせたニュースの発端は、入園システムの変更や近隣住民とのトラブルを誇張したショート動画の拡散だった。だが現地を取材すると、運営側は過度な混雑による樹木へのダメージを防ぐため、完全予約制の運用を厳格化しているに過ぎないことが分かる。樹齢100年を超える古木を守りつつ、来園者の安全を確保するための苦渋の決断が、ネット上では誤った文脈で切り取られていたのだ。