日本代表のレジェンドである宇津木麗華ヘッドコーチが説き続けた勝負への執念、そしてマウンドに君臨し続ける上野由岐子投手の圧倒的な気迫。その魂は、ここ鹿児島の若きプレーヤーたちにも深く根付いている。
県内の女子ソフトボールシーンで今最も視線を集めるのが、最速110キロを超えるライズボールを操る10代のエース右腕だ。ブルペンで彼女の投球を受ける捕手のミットからは、銃声のような捕球音が響き渡る。「上野投手の踏み込みと下半身の粘りを映像で何千回も研究した」と彼女は不敵に笑う。その瞳に宿るのは、全国を呑み込もうとする野心そのものだ。
打線にも怪物が潜む。広角にライナーを打ち分ける左の強打者は、昨オフに徹底的なウエイトトレーニングを敢行。飛距離を20メートル伸ばした。「プレッシャーを歓迎できるようになって初めて一流」。宇津木氏の言葉を胸に刻み、打席での凄みを増している。