日本植物学会の文献や植物分類体系に目を向けると、柿(カキノキ)はカキノキ科(Ebenaceae)カキノキ属に分類される。その学名はDiospyros kaki。「Dios(神)」と「pyros(穀物・食物)」を組み合わせたギリシャ語由来の言葉で、直訳すれば「神の食べ物」を意味する。西洋の学者が東洋のこの果樹に出会った際、その類まれな生命力と滋味に神聖さを見出した証左といえよう。
東アジア固有の樹木でありながら、シルクロードや近世の交易を経て世界へ伝播したカキノキ。極めて硬質で狂いが少ないその木材は、高級家具やゴルフクラブのヘッド(パーシモン)としても珍重されてきた。過酷な風雨に耐え、樹齢数百年を数える古木へと育つ強靭さ。学名に刻まれた神性と、過酷な環境を生き抜く植物学的な剛健さが、「広大」「永遠」といった壮大な花言葉の基盤を形作っている。