間取り図面を見て「25平米あるから余裕だ」と考えて契約したところ、実際にメジャーで採寸すると家具が入らなかった――。ネットの相談掲示板やSNSで後を絶たないこのトラブルの根底には、賃貸専有面積の計算基準に潜む法的なルールが存在します。
面積の算出方法には、建物の壁の中心線で囲まれた部分を測る「壁芯(かべしん)計算」と、壁の内側の実際に使える空間だけを測る「内法(うちのり)計算」の2種類があります。
建築基準法および不動産広告の慣習において、賃貸マンションや分譲マンションのパンフレットに載る専有面積は、ほぼすべて「壁芯計算」で表記されています。厚みのあるコンクリート壁の半分が面積に含まれているため、居住者が自由に使える実際の有効スペース(内法面積)は、カタログ表記より5%〜8%程度目減りします。25平米と書かれた部屋なら、実質的な有効面積は23平米前後に狭まる計算です。
さらに見落としやすいのが「畳の地域差」です。不動産公取協の基準(1.62㎡)とは別に、歴史的な畳のサイズには大きな開きがあります。
- 京間(本間):約1.82平米(京都・関西圏を中心とする伝統規格)
- 江戸間(関東間):約1.55平米(関東を中心とする一般的な規格)
- 団地間:約1.45平米(公団住宅などで採用された小型規格)
築年数の古い物件や地方の物件を内見する際、「6畳」と表記されていても、団地間であれば約8.7平米、京間であれば約10.9平米と、2平米以上(半坪近く)の差が生じます。「畳数」の数字だけを鵜呑みにせず、必ず「平米数」と現地の実測値で確認することが鉄則です。