血脈の継承は、すでに次の世代へと確実に動き出している。菊之助の長男である尾上丑之助は、幼少期から卓越した勘と美しい立ち振る舞いで観客を魅了してきた。父や祖父たちの薫陶を直接受けながら育った彼は、音羽屋の未来を背負う若き俊英として熱い視線を注がれている。
八代目菊五郎へと名跡が受け継がれ、そして「菊之助」の名が子へと引き継がれるこの瞬間に、私たちは歌舞伎という芸能が生き物のように進化する様を目撃している。祖父・七代目菊五郎と二代目吉右衛門という二人の巨星の遺伝子を併せ持つ新世代の登場は、音羽屋の歴史に新たな黄金期をもたらすに違いない。