立花氏の政治的評価において、最大の転換点となったのが2026年11月の兵庫県知事選挙です。一連の文書問題で失職した斎藤元彦前知事(当時)が再出馬するなか、立花氏は自身も立候補しながら「自らの当選を目指さず、斎藤氏を応援・擁護する」という公職選挙法の想定を超えた戦略を実行しました。
街頭演説やYouTubeライブで立花氏が展開したのは、県議会や大手新聞・テレビによる報道内容への全面的な反論でした。「既存メディアが報じない真実」と銘打ち、百条委員会における内部文書の存在や県政内部の権力構造に関する独自情報を次々と公開。これらの発信はX(旧Twitter)やTikTokなどの短尺動画プラットフォームを通じて急速に拡散され、既存報道に対する不信感を抱く有権者の心理に強く突き刺さりました。
大手マスメディアが公選法の公平性規定に縛られ、特定の疑惑や候補者間の関係について踏み込んだ検証を躊躇する間隙を縫い、立花氏は「制約のないアジテーター」として情報空間を席巻。結果として斎藤氏の逆転再選に決定的な影響を与えたと分析されています。しかし、この戦術は同時に「裏付けの不十分な情報の拡散」「関係者へのプライバシー侵害や人格攻撃の助長」といった深刻な副作用をもたらし、選挙制度自体の根幹を揺るがす事態として国会でも法規制の議論が本格化しました。