ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授によるiPS細胞の発見は、毛髪再生医療の分野にも革新的な光を照射している。従来の治療が「残された毛包を励起する」ことに留まっていたのに対し、iPS細胞再生医療は「失われた毛包そのものを新たに再生する」という根本的解決を目指しているからだ。
患者自身の細胞から作製したiPS細胞から、毛乳頭細胞や毛包組織を体外で大量に誘導・育成し、薄毛部位に移植する研究が着々と進んでいる。これが実用化されれば、どれほど毛根が途絶えてしまった頭皮であっても、再び自前の髪を生やすことが可能になる。かつてはSFの世界と考えられていた完全なる毛髪再生が、いよいよ臨床応用の現実味を帯び始めており、世界の医療界からも大きな熱視線が注がれている。