「関係各位は社内連絡専用の言葉であり、社外宛てに使うと失礼にあたるのではないか」という疑問がネット上などで散見されます。しかし、結論から言えば社外宛て関係各位マナーとしても正式に認められており、取引先を含めた複数企業による合同プロジェクトや、不特定多数の取引先へ向けた一括告知において広く使用されています。
ただし、社内と社外では求められる配慮の深さが異なります。
社内メール関係各位として使う場合は、他部署をまたぐ業務連絡やシステム変更の周知など、簡潔かつ合理的な情報伝達が最優先されるため、宛名冒頭に「関係各位」と置くだけでスムーズに受け入れられます。しかし社外宛ての場合、いきなり「関係各位」とだけ記載すると、「事務的で冷淡な一斉送信」というネガティブな印象を与えかねません。そのため、社外向けには以下のような工夫を施すのがビジネスマナーの定石です。
- 「お取引先関係各位」のように、相手との関係性を明記する
- 複数社が参加するプロジェクトでは「〇〇プロジェクト関係各位」と目的を明確化する
- 本文の冒頭に「一斉送信にて失礼いたします」といったクッション言葉を添える
次に、極めて混同されやすい「関係者各位との違い」について掘り下げてみましょう。「者」という1文字が入るか否かですが、日本語の語感と伝達範囲において明確な違いが生じます。
「関係各位」が「関係している皆様方」を直接的に指し示すのに対し、「関係者各位」は「その事柄に関係している“者”(第三者や周辺の当事者)の皆様」という客観的な枠組みを連想させます。一般的に「関係者各位」は、イベント会場の案内板、報道機関向けのプレスリリース、あるいは部外者と関係者を明確に区別する場面で多く用いられます。直接の仕事仲間や取引先に対して業務連絡を送る文脈では、余分な客観視を挟まない「関係各位」を用いるのがより自然でスマートです。