まずは改めて、親しまれている「とんぼのめがね」の全歌詞を振り返ってみましょう。言葉数は極めてシンプルでありながら、読むだけで澄み切った秋の情景が鮮やかに脳裏に浮かんできます。
【1番】
とんぼの めがねは
みずいろ めがね
あおいおそらを とんだから
とんだから
【2番】
とんぼの めがねは
ピカピカ めがね
おてんとさまを みてたから
みてたから
【3番】
とんぼの めがねは
あかい めがね
ゆうやけぐもを とんだから
とんだから
幼い子どもにとって、トンボの大きな複眼はまるで人間が掛ける「めがね」のように見えます。歌詞の大きな特徴は、「空を飛んだから、空の色がめがねに移って染まった」という子どもの素直な感性をそのまま言葉にしている点です。理屈ではなく、直感的な美しさをそのまま肯定する優しさが、半世紀以上経っても色褪せない支持を集める理由になっています。