熱量計算の理論上、体脂肪を1kg燃焼させるためには約7200kcalの消費超過が必要です。仮に1日の総消費エネルギーが1800kcalの女性が1200kcalの制限を厳格に守った場合、1日の差分はマイナス600kcal、30日間で「600kcal × 30日 = 18000kcal」のマイナスとなります。
これを脂肪量に換算すると「18000 ÷ 7200 = 約2.5kg」となり、理論値としての減量ペースは1ヶ月で2〜3kg程度が上限値です。開始直後に1週間で3kg以上ストンと落ちる例もありますが、その大半は体内の水分と便の排出による一時的な変化にすぎません。
そして最も警戒すべきが、制限を解除した後に待ち受けるリバウンドの罠です。厳しいカロリー制限を経験した身体は、代謝が低下している一方で、飢餓に備えて栄養を吸収する効率が極めて高くなっています。この状態で「目標体重に達したから」と通常の食事(1800〜2000kcal)へ一気に戻すと、消費しきれないカロリーが急速に体脂肪として蓄積されます。
結果として「体重は元通りかそれ以上に増えたのに、筋肉だけが落ちて体脂肪率は以前より悪化する」という典型的なサルコペニア肥満を招いてしまうのです。