本作が35年以上を経た現在も燦然と輝き続ける理由は、制作陣の圧倒的なこだわりにある。ゲームデザイナーの堀井雄二が手掛けた濃密な群像劇と、鳥山明がデザインした生き生きとしたキャラクター・モンスター群の融合は、まさに奇跡的なシナリオ体験を生み出した。
かつてファミリーコンピュータの限られたデータ容量の中で、これほど重厚で立体的なドラマが表現されたことは驚異的である。現在ではスクウェア・エニックスの手によって多角的なメディア展開や移植が行われているが、デスピサロという異彩を放つ魔王の存在感は、今なおロールプレイングゲーム界の金字塔として崇められている。