施術を受けた直後は満足していたにもかかわらず、数年スパンでヒアルロン酸注入を後悔する理由のトップに挙げられるのが「顔全体のバランス崩壊(オーバーフィルド・シンドローム)」です。
この現象の恐ろしい点は、患者本人だけでなく担当医までもが「審美眼の麻痺」に陥る点にあります。最初は自然な変化で満足していたものの、ヒアルロン酸が少しずつ減衰してくると「元の老けた顔に戻りたくない」という恐怖心から、ハイペースで注入を繰り返してしまいます。その結果、顔の立体感の限界を超えてヒアルロン酸を入れすぎたアバター顔や、パンパンに張った「ビニール肌のような不自然な丸顔」へと突き進んでしまうのです。
また、製剤の特性に対する認識不足も後悔を招く大きな原因です。ヒアルロン酸は水分を引き寄せて保持する性質(吸水性)を持っています。注入直後は完璧な仕上がりに見えても、数週間から数ヶ月かけて水分を吸ってさらに膨張し、想定外のボリューム感になってしまう計算外のトラブルも少なくありません。