原作者の麻生周一が描く独自の世界観において、海藤瞬という存在は極めて特異だ。重度の中二病を患い、自らを世界を護る「漆黒の翼」と信じ込む彼は、時にコミカルで、時に哀愁を漂わせる。この難役を見事に体現したのが、いまや日本映画界のトップランナーである吉沢亮だ。
美形でありながら、それを全力でドブに捨てるような変顔とキレのあるポージング。手に巻いた赤い包帯をさすりながら「ダークリユニオン」の脅威を語る姿は、原作ファンの期待をはるかに超えていた。スクリーンの端々から漂う絶妙な痛々しさと可愛らしさ。彼の持つ圧倒的なビジュアルとコメディセンスが見事に融合し、まさに神がかったハマリ役として絶賛されたのだ。