作者である藤子・F・不二雄は、自身が掲げた「S(すこし)・F(不思議)」という理念のもと、日常の延長線上に奇想天外なアイディアを持ち込む手法を確立した。1970年代に小学館の学年別学習雑誌で連載がスタートした当時、出版業界においてこの先駆的なアプローチは大きな驚きをもって迎えられた。
それまでの児童漫画の常識を覆し、本格的なSFのロジックを親しみやすい「SFギャグ漫画」へと昇華させた手腕は圧巻である。日常生活で誰もが抱く日常の不満や欲望に対し、ポケットから出される未来の道具が「一時的な解決と新たな騒動」をもたらす起承転結のフォーマットは、出版市場における幼年漫画のスタンダードを塗り替えた。