低酸素脳症による重度寝たきり患者の日常ケアにおいて、生命維持と直結する管理項目は「呼吸管理」「皮膚管理」「関節拘縮予防」の3点です。これらは在宅介護のみならず、施設入所時のケア品質を見極める重要な指標となります。
- 喀痰吸引と排痰ケア:意識障害患者は自力での有効な咳嗽(咳払い)が困難です。分泌物が気道に貯留すると低酸素血症や無気肺、肺炎を招きます。ネブライザーを用いた加湿、スクイージング(胸郭圧迫法)、定期的な体位ドレナージを組み合わせた排痰管理が不可欠です。
- 褥瘡(床ずれ)の徹底予防:自力で体位を変えられないため、仙骨部、踵骨部、大転子部に圧迫が集中します。2〜3時間ごとの体位変換、体圧分散エアマットレスの導入、皮膚の保湿と清潔保持が欠かせません。一度重度の褥瘡を形成すると、骨髄炎や敗血症へと進展する深刻なリスクとなります。
- 良肢位の保持と拘縮予防:脳障害による筋緊張亢進(痙縮)により、手首の屈曲や尖足、股関節の内転拘縮が急速に進行します。装具の適切な装着、クッションを用いたポジショニング、毎日の関節可動域訓練(ROM訓練)を怠ると、清拭やオムツ交換すら困難な状態に陥ります。