Q1:家禄と知行の違いは、一言で言うと何ですか?
A1:家禄は主君から代々支給される「給与全般(基本給)」の総称です。その支給形態の一つとして、領地と農民の支配権を与えられて自ら年貢米を徴収する権利を「知行(ちぎょう)」と呼びます。知行を与えられた高禄の武士を「知行取」、領地を持たず米蔵から現物米を受け取る武士を「蔵米取」と呼び、どちらも家禄の一形態です。
Q2:下級武士の「三両一人扶持」は現代の年収に換算するといくらですか?
A2:現代の貨幣価値に換算すると約120万円〜180万円程度です。現金3両(約30万〜45万円)と、1人分の年間主食米(約150kg=約10万〜15万円相当)に諸手当を加えた水準であり、最低限の食の確保はできるものの、現代のワーキングプアに近い過酷な水準でした。そのため、傘張りや朝顔栽培などの内職が不可欠でした。
Q3:なぜ明治政府は武士の給料(家禄)を無理やり廃止したのですか?
A3:廃藩置県後に全国の士族へ支払う俸禄が国家総歳入の3割〜4割を占める巨額の財政負担となり、近代国家建設の予算(軍備・インフラ・教育等)を圧迫して国家破綻の危機に瀕したためです。新政府は1876年に「金禄公債証書」を交付して世襲俸禄を全廃する「秩禄処分」を断行し、士族の経済的特権を消滅させました。