樹木希林の書籍を企画した編集者たちは、彼女が語る言葉の「生々しさ」にこだわったという。一般的なタレント本のように、ゴーストライターが綺麗に整えた文章ではない。彼女自身が人生の修羅場をくぐり抜け、体得してきた生の言葉だからこそ、何年経っても色褪せない強さがある。
取材時、彼女はいつも飾らない普段着で現れ、お茶を飲みながら淡々と語ったという。その飾らない佇まいそのものが、本という媒体を通じて読者に伝わっているのだ。言葉の端々に宿るユーモアと、時折見せる冷徹なまでの客観性が、読者を惹きつけて離さない。