「培養には日数がかかる」という医療の常識は、テクノロジーの進歩によって劇的な変革期を迎えています。細菌同定検査の最新動向まとめとして特筆すべきは、迅速同定技術の普及と定着です。
現在、中規模以上の急性期病院で標準装備となりつつあるのが「MALDI-TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置)」を用いた微生物同定法です。従来はコロニー形成後に数時間〜1日かけていた生化学的性状確認が、質量分析を用いることでわずか数分〜数十分で菌種特定まで完了するようになりました。
さらに、培養を経ずに検体中の微量な細菌DNA/RNAを直接増幅するリアルタイムPCR法や、全自動遺伝子解析システムの導入が進んでいます。重症敗血症や難治性肺炎において、原因菌と主要な薬剤耐性遺伝子を数時間以内に同時に検出できる環境が整い、初期治療の成功率向上に大きく貢献しています。