4原則が誕生する契機となったのが、1979年にアメリカ国家委員会が公表したベルモントレポートです。この報告書は、梅毒の黒人患者を無治療で放置・観察し続けたタスキーギ梅毒実験などの非人道的な研究に対する反省から作成されました。
ベルモントレポートでは「人格の尊重(Respect for persons)」「善行(Beneficence)」「正義(Justice)」の3原則が掲げられました。ビーチャムとチルドレスは、この枠組みを研究対象者だけでなく「臨床現場の患者」全般に適用できるよう拡張し、「善行」の中から「害を与えないこと(無危害)」を独立させて再編したのが、現在の生命倫理の4原則です。