急速な観光客の回帰は、現地の生活圏との摩擦という古くて新しい課題を再び突きつけている。伝統家屋が密集するソウルの北村韓屋村(プッチョンハノクマウル)では、住民の生活環境を守るための夜間立ち入り制限や厳格な騒音規制が本格運用されているが、路地での無断撮影やゴミのポイ捨てをめぐるトラブルは後を絶たない。
ノービザ政策の恩恵を受けるリゾート地・済州島(チェジュド)でも緊張が走る。地元飲食店でのマナー違反や、レンタカー事故の増加に対する地元住民の不満が地域メディアを賑わすことも少なくない。韓国政府や自治体はデジタル看板によるマナー啓発や多言語の案内係を配置して鎮火に躍起だが、地域住民の生活圏と観光公害のバランスをどう取るかという難題は、2026年の韓国社会において極めてセンシティブな政治課題へと発展している。