文化庁の常用漢字表および漢検配当基準に基づき、ぎょうにんべん(彳部)に属する漢字を分類・整理しました。学習指導要領で規定される小学校配当の基本字から、一般の文章で見かける難読漢字まで一望できます。
小学生で習う「ぎょうにんべん」の漢字(全9字)
小学校6年間で配当されているぎょうにんべんの漢字は、合計で9文字存在します。配当学年とあわせて確認すると、成長に伴い「移動の物理的動作」から「抽象的なルールや精神性」へと習得が進む構造が見て取れます。
- 小学2年生:「後」(9画)…道を進む足が遅れて後ろに残るさま。
- 小学3年生:「役」(7画)…武器を手に道を行く遠征任務・つとめ。「待」(9画)…道の途中で立ち止まってまつ。
- 小学4年生:「径」(8画)…まっすぐ通り抜ける小道。「徒」(10画)…乗り物に乗らず道をとぼとぼ歩く。
- 小学5年生:「往」(8画)…目的地へ向かって進み行く。「徳」(14画)…正しい心でまっすぐ道を進む人徳。
- 小学6年生:「律」(9画)…人々が行くべき定めの道・おきて。「得」(10画)…道を進み求めていたものを手に入れる。
常用漢字に含まれる「ぎょうにんべん」全19字の画数別一覧
常用漢字として認定されている彳部の19字を、総画数ごとに整理しました。公用文やビジネス文書の執筆、校正作業において押さえておくべきコアリストです。
- 7画:役
- 8画:往、径、征、彼
- 9画:後、待、律
- 10画:徒、従、徐
- 10〜11画:得(※手書き字体等により10画または11画とされる)
- 12画:御、復、循
- 13画:微
- 14画:徳
- 15画:徴
- 16画:徹
知っておきたい難読漢字・漢検上位級の漢字
常用漢字の枠を超えたJIS第1〜第2水準や漢検準1級・1級領域には、情景や心理描写を豊かに表現するぎょうにんべんの漢字が多数存在します。
- 彷徨(ほうこう):あてもなくさまようこと。「彷」も「徨」もぎょうにんべんで、行きつ戻りつする様子を表す。
- 徘徊(はいかい):目的もなくうろうろと歩き回ること。「徘」「徊」ともに道を行ったり来たりする歩行動作を象徴。
- 彷彿(ほうふつ):ありありと思い浮かぶこと。旧字体の「彷彿」は記憶がよみがえり彷徨う情景に由来。
- 徙る(うつる):「徙(し)」は場所を変えて移り住むこと。歩みを移す意。
- 徂く(ゆく):「徂(そ)」は時が過ぎ去る、遠くへ行くこと。「徂徠(そらい)」などの人名・語彙でも知られる。