『古今著聞集 現代語訳 テスト対策』において、平均点止まりの生徒と学年上位層を分ける決定的な要素が「助動詞の識別」と「敬語動詞を用いた主語の割り出し」です。文脈判断だけに頼ると誤答を招きやすい重要文法項目を、頻出例文とともに整理します。
助動詞の多義性と見極めルール
試験作成者が好んで狙うのは、複数の文法機能を持つ「助動詞」の識別問題です。以下の3パターンは完全な識別手順を頭に叩き込んでおく必要があります。
- 「なり」の識別(伝聞・推定 vs 断定・存在):
・直前が終止形(ラ変型は連体形)なら「伝聞・推定」(〜という/〜ようだ)。
・直前が連体形または体言なら「断定・存在」(〜である/〜にある)。
※例文:「院、聞こし召す(連体形)なり」=「院がお聞きになっているのである(断定)」 - 「ぬ」の識別(完了 vs 打消):
・直前が連用形なら完了の助動詞「ぬ」の終止形(〜した・〜てしまう)。
・直前が未然形なら打消の助動詞「ず」の連体形(〜ない)。
※例文:「言ひ出で(連用形)ぬ」=完了 / 「言ひ出で(未然形)ぬ言の葉」=打消 - 「らむ」の識別(現在推量・現在の原因推量・現在の婉曲):
・文中に「など」「いかに」などの疑問詞を伴う場合は、ほぼ100%「現在の原因推量(どうして〜なのだろうか)」として訳出するのが鉄則。
敬語による主語判定マトリクス
主語が省略される古典本文において、誰の動作であるかを特定する唯一の鍵が敬語の種類です。
- 最高敬語(二重敬語)「せ給ふ」「させ給ふ」:天皇・院・中宮などの最高権力者が主語。
- 本動詞「給ふ」(四段活用):書き手から主語に対する敬意(主語=身分の高い貴族・院)。
- 謙譲語「申す」「聞こゆ」「奏す」:動作の受け手(客体)に対する敬意。主語は発言者(身分が一段低い家臣など)。