慢性的な筋緊張による側頭部の重だるさに対しては、解剖学の理にかなったセルフケアが有効です。ただし、拍動性の頭痛(偏頭痛)が起きている最中にマッサージを行うと血流が一気に増大して症状が悪化するため、必ず「締め付け感のある緊張型頭痛」や「日常のコリ」のタイミングで行ってください。
1. 手根部を用いた側頭筋のほぐし方
指先だけで揉もうとすると力が一点に集中し、筋肉を痛める恐れがあります。手のひらの付け根にある肉厚な部分(手根部)を耳の上に当て、円を描くようにゆっくりと圧をかけながら頭皮を動かします。
- 両手の手根部を、耳の真上あたりの側頭部にしっかりと密着させます。
- 奥歯の噛み締めを解き、口を少し半開きにしてリラックスします。
- 骨に当てた圧を逃がさないようにしながら、後ろ上方へ向けてゆっくり10回ほど円を描くように回し揉みます。
- 位置を少しずつ上や後ろ(こめかみ寄り、耳の後ろ寄り)にずらしながら、全体を心地よい強さでほぐします。
2. 即効性を高める側頭部のツボ刺激
側頭部周辺には、頭痛や眼精疲労の緩和に用いられる主要なツボが集中しています。親指の腹や中指の腹を使い、息を吐きながら痛気持ちいい強さで5秒間キープし、ゆっくり離す動作を3セット繰り返します。
- 太陽(たいよう):目尻と眉尻の中間から、わずかに指1本分後ろにある窪み。「眼医者殺し」の異名を持つほど眼精疲労に効くツボで、側頭部の緊張を解く基本点です。
- 角孫(かくそん):耳を前方に折りたたんだとき、耳の先端が頭皮に当たる位置。耳の周囲の血流を促進し、頭部側面の突っ張り感や耳鳴りの緩和に役立ちます。
- 率谷(そっこく):耳の一番高いところから指幅2本分真上に上がった位置。側頭筋の中央部に位置し、噛み締めによるコリや頭部全体の重だるさを解消する特効穴です。
神経痛が疑われるケースでは、患部を強く押すのは禁物です。蒸しタオルなどで首筋から耳の後ろをじんわり温め、首のストレッチを取り入れて神経の圧迫を取り除くアプローチが適しています。