インターネットの検索窓に「川又書店県庁店」と入力すると、関連ワードに「閉店」や「閉鎖」という言葉が表示されるケースが見受けられます。日頃から店舗を利用している水戸市民にとって、日常の文化拠点ともいえる書店の存続危機は極めて切実な問題です。
結論から申し上げますと、川又書店県庁店は2026年現在も通常通り営業を続けています。店舗が閉店したという事実は一切なく、店頭には連日多くの来店客が訪れています。
では、なぜこのような不穏な噂がまことしやかに広がってしまったのでしょうか。取材を進めると、主に3つの構造的な背景が浮かび上がってきました。
第1に、川又書店グループにおける過去の店舗統合・閉店の記憶です。水戸駅北口の顔として長年愛された三の丸本店やプラザ店など、歴史ある系列店舗の統廃合が過去に相次いだ経緯があります。地元住民の間で「川又書店のあの店が閉まった」という情報が記憶のなかで混同され、県庁店にも飛び火した形です。
第2に、出版不況に伴う全国的な書店閉店ニュースの余波が挙げられます。経済産業省や出版関連団体の統計によると、国内の書店数は過去20年で半減以下に激減しており、「街から本屋が消える」という特集が頻繁にメディアで組まれています。こうした社会不安が「地方の大型店も危ないのではないか」という先入観を生み、検索行動を加速させました。
第3に、定期的な店内レイアウト変更や什器の改装です。棚の入れ替えや文具コーナーの拡張に伴う一時的な作業風景を目撃した一部の利用者が、「縮小移転か閉店の準備ではないか」とSNSに投稿したことで、事実無根の憶測が一人歩きしてしまったと推察されます。