北朝鮮は近年、核開発やミサイル発射実験を繰り返し、軍事的な緊張を高めている。さらにウクライナ情勢を巡るロシアとの接近など、国際社会における陣営化が進む中で、日本の外交的カードは極めて限定的になっている。制裁の強化だけでは拉致問題の解決には結びつかず、かといって対話の窓口を開くための決定打も見出せていない。
アメリカをはじめとする同盟国との連携は不可欠だが、各国にはそれぞれの国益と優先課題がある。日本政府が主体性を持って北朝鮮と直接対峙し、拉致問題を最優先課題として突きつけ続ける覚悟が、今まさに試されている。単なる「遺憾の意」の表明で終わる時代はとうに過ぎ去った。