維持費の全体像を捉えるためには、自動車税だけでなく燃料代や任意保険、定期メンテナンスを含めた「年間トータルコスト」を俯瞰しなければなりません。年間走行距離を一般的な10,000km、レギュラーガソリン価格を1リットルあたり175円と仮定し、排気量別の年間維持費比較を検証します。 軽自動車(660cc)の場合、年間実燃費が18km/L前後であれば年間ガソリン代は約97,000円、自動車税は10,800円、車検按分(2年に1度の重量税・自賠責・基本工賃を1年分に換算)は約40,000円、任意保険を約50,000円と見積もると、年間の基本維持費は約20万円台前半に収まります。 これが1.5Lクラスのコンパクトハイブリッド(実燃費23km/L前後)になると、ガソリン代は約76,000円と軽自動車を下回るものの、自動車税が30,500円に上昇し、車検按分費用や消耗品費が微増するため、トータル維持費は約22万円〜25万円程度と軽自動車に肉薄します。小排気量登録車のハイブリッドモデルが軽自動車からの乗り換え先として強力な支持を集める理由は、この「税金差を燃料代で相殺できる経済合理性」にあります。 ところが、排気量が2.5L〜3.5Lクラスのガソリン車になると維持費のグラフは急激に直立します。実燃費が9km/L〜10km/L程度に落ち込むと年間の燃料代だけで18万円前後に達し、自動車税は43,500円〜57,000円、大径タイヤの交換引当金や大容量オイルの交換費用が上乗せされ、年間維持費は40万円を軽々と突破します。 車の排気量と燃費の関係には、走行シチュエーションに応じた「特性の逆転」が存在します。低速ストップ&ゴーが延々と続く市街地では、シリンダー内に取り込む空気量が少なくアイドリング時の燃料消費が少ない小排気量車やハイブリッド車が圧倒的な低燃費を記録します。一方で、高速道路を時速100km巡航するシチュエーションでは、小排気量車は高回転(3000rpm前後)を維持し続ける必要があり、エンジンに高い負荷がかかって燃費が急激に悪化します。 大排気量車はトップギアに入れておけば1200rpm〜1500rpm前後の低い回転数で静かに巡航できるため、高速道路単体で見れば小排気量車と大差ない、あるいはそれ以上の好燃費を叩き出すケースが珍しくありません。「どのような道路を、どの速度域で走るか」によって排気量の実質効率は大きく変動します。
車の排気量とは?税金や燃費の差と後悔しない選び方を徹底解説
•
•
1分で読める